日本の食卓に欠かせないサンマですが、毎年サンマの価格が気になるものです。
サンマの値段に大きく関係するのが漁獲量ですが、近年サンマの漁獲量に大きく変化が出てきており、年によっては値段が非常に高騰する事もあります。
サンマの漁獲量に影響しているのは、次の点です
・海外での需要の伸び
・海流の変化によるサンマの移動
2018年のサンマの漁獲量に関して、北水研生産環境部生産変動グループが衛星写真から分析を発表し、今年のさんま漁は不漁になる可能性が高いことが分かりました。
サンマ漁が不漁になる原因がなんでしょうか?
海流の変化によるサンマの不漁
秋刀魚の好む海水温度があり、一般的には15度くらいの海水を好むため、水温が高いと温度の低いところへ移動してしまいます。2018年6月の段階で、北海道や東北地方の太平洋沖には、暖水塊が発生しています。
暖水塊とは、文字の通り20度ほどの暖水の塊が沖合に発生している場所です。暖水塊が発生している場所の水温はサンマの好む水温を大きく超えてしまっているため、暖水塊付近ではサンマが取れにくくなる傾向があります。6月現在暖水塊が発生している場所は、以下のようになっています。
参照:北海道新聞
しかし2018年に発生した暖水塊は、7年間滞留した暖水塊よりも、より陸地に近い釧路沖南東150kmにあります。サンマ漁への悪影響は、過去7年よりも大きくなると予想されています。
こうした状況から分析するサンマの価格について、引き続きご説明します。
暖水塊によるサンマの価格への影響
暖水塊が発生すると、サンマはこの水域を避けて南下するようになり、釧路沖近海でのサンマ漁は難しくなります。結果としてサンマの漁獲量は減少するため、不漁となるでしょう。
不漁となれば市場に出回るサンマの量が減るため、価格上昇へと直結してしまいます。秋の味覚の代表とも言えるサンマの価格高騰は、一般家庭に大きな痛手となってしまうでしょう。しかし暖水塊に加えて、サンマの漁獲量が少なくなる原因が他にもあります。
中国・台湾によるサンマ漁獲量の増加
暖水塊に加えて、中国や台湾によるサンマ漁獲量の増加もサンマの価格高騰につながっています。以前はそれほど消費のなかった中国や台湾でサンマの人気が高まり、大きな需要が生じています。需要があれば供給が必要となり、これまで日本が獲っていたサンマが中国や台湾の漁船が獲られるようになりました。
すでに2カ国の漁獲量は非常に増えており、日本への影響は深刻です。加えて毎年のように暖水塊が発生している事は、サンマの漁獲量をさらに深刻なものとしています。2018年のサンマの価格は、例年よりも高騰することは間違いないでしょう。