フジテレビの月9で放送される「シャーロック」は、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズを原作としているので、最終回もかなり衝撃的な内容になること間違いなしです。
原作を楽しみに読んでいた方も多いと想いますが、ディーン・フジオカと岩田剛典が主演のドラマのラストもとっても気になります。
ネタバレになる可能性もあるので、ドラマで結果を確認したいという方は、ココでこちらのページに移った方が良いと思います。
ぜひこれまでの流れを確認してみてください。
原作コナン・ドイル版シャーロック・ホームズの結末とは?
コナン・ドイル作のシャーロック・ホームズの結論と言えるものは、3つほどあります。
小説の中で、「最後の事件」と呼ばれる話が「3作」はあるという意味になります。
1 タイトル名「最後の事件」(1回目の最終回)
コナン・ドイル作のシャーロック・ホームズにおける1作目の最後の事件は、タイトルはそのまま「最後の事件」です。
実は、最後の事件をコナン・ドイルが書くことになった理由は、コナン・ドイルがホームズ作品に対して嫌気が差してしまい、作品を終わらせたくなったためと言われています。
そのため、急激にストーリーが終わりに向かって進むような作風になっています。
「最期の事件」では、最後の敵として「モリアーティ教授」という悪役が急に登場してきます。
この作品の中で、ホームズは突然「自分の宿敵がモリアーティ教授」であることを告げます。
ロンドンで起きる犯罪の約半分にモリアーティ教授が関わっていると言われるほどの悪人です。
これまでに登場したことのない、全く伏線もないような人物が突然出てきたことからも、ホームズシリーズを終わらせたいというドイルの感情が表れています。
モリアーティ教授は、数学界の天才であり、大学の数学教授を努めていたほどの人物で、その能力を使い絶対的な犯罪者になっていました。
ホームズ自身も、自らの能力に匹敵する人物としてモリアーティ教授を認めており、最後の戦いは熾烈を極めることになります。
なんとかモリアーティ教授を追い詰めることに成功したシャーロック・ホームズは、教授の悪の組織を壊滅させることに成功します。
しかし組織を壊滅させることができたものの、モリアーティ教授自身は警察の手を逃れ、たった一人で脱出していました。
シャーロック・ホームズは、モリアーティ教授が自分の命を奪いにくることを予期します。
ホームズとワトソンは、ライヘンバッハの滝というところに向かうことになるものの、ホームズはワトソンにロンドンに戻ることを勧めます。
これ以上一緒にいると、ワトソンの命すら危なくなることを悟ったホームズは、ワトソンのことを思って、戻ることを勧めたのでした。
しかしワトソンは、ホームズと一緒にいることを選びます。
そんな時、2人の前に表れた1人のスイス人の若者が、イギリス人の女性が宿で危ない状態になっているので、医師のワトソンに助けて欲しいと懇願しにやってきます。
ワトソンは、ホームズのそばを離れたくなかったものの、結局女性の元に向かうことにします。
2人が分かれたのは、ライヘンバッハの滝であり、ワトソンはホームズが滝を眺めている姿を最後に見ます。
その後、ワトソンが戻ってくると、滝に残されたホームズの登山杖、銀製のシガレットケース、ワトソンへの手紙が残されていました。
手紙の中身は、モリアーティ教授の好意で手紙を執筆できていること、結末がこれで良かったのだというワトソンへの別れの挨拶のようなものでした。
最終的に、警察によって出された結論は、ホームズとモリアーティ教授は揉み合った末に滝壺に2人で落ちてしまったという事でした。
ドイルとしては、ホームズが亡くなったとは書いていなかったものの、読者にそれを連想されるような仕方で物語を終わらせたかったようですね。
しかし読者は、それを許してくれませんでした。
「最後の事件」が発表されると、ホームズを滝壺に落した内容にした作者「コナン・ドイル」への批判が噴出します。
出版社・読者から執拗な嫌がらせや抗議、中傷を受けたコナン・ドイルでしたが、作品を書くことはありませんでした。
しかし最後の事件から9年以上が経過した1903年に「空き家の冒険」という作品が出版されます。
つまり「最後の事件」は、シャーロック・ホームズの最後ではなかったという事です。
2 タイトル名「最後の挨拶」 物語時系列の最終回
9年間に渡って、読者からの激しい反応にさらされたコナン・ドイルは、ついに1903年にホームズシリーズを再開します。
かなり無理のある内容で、ホームズシリーズは再開することになります。
滝壺に落ちたとされていたホームズは、実は岩場に隠れていて亡くなってはいなかったということになりました。
1903年「空き家の冒険」によって再び始まった「シャーロック・ホームズ」ですが、1917年に発表された「最後の挨拶」という作品で、コナン・ドイルは再びホームズシリーズを終わらせると宣言します。
つまり2回目の最終回は「最後の挨拶」という作品です。
この作品の中で、ホームズはすでに犯罪捜査を引退しています。
田舎に引っ越しをしていたホームズは、養蜂を営んでおり、ゆっくりした普通の生活を送っていましたが、イギリス政府からの依頼によってスパイの逮捕という事件に駆り出されることになります。
この作品にも、相棒であるワトソンが出演しています。
この作品以降、ホームズが事件の捜査などを行うという場面はなくなり、事実上探偵として活躍することはなくなります。
その後のシャーロック・ホームズの消息については、語られていないため、ホームズ自身の結末については一切分からない状態のまま終わります。
時間的な流れの中で、事実上の最終話はこの「最後の挨拶」となります。
3 タイトル名「シュスコム荘」執筆の最終回
「最後の挨拶」は先ほど説明したように、ホームズの引退後の生活を描いた作品であるため、時系列における「事実上の最終話」になります。
それ以降の作品は、昔の事件を思い起こす「回顧録」のような形で執筆されています。
回顧録の中の最終話が「シュスコム荘」であり、コナン・ドイルが書いたホームズシリーズ作品の中で最後に書かれた作品になります。
原作における最終話は「最後の挨拶」
このように原作「シャーロック・ホームズ」には、3作の最終話と呼べるものがあります。
- コナン・ドイルが終わらせたかった最終話「最後の事件」
- ホームズ作品の時系列における最終話「最後の挨拶」
- ドイル最後の執筆作品「シュスコム荘」
この中で、事実上の最終話は「最後の挨拶」ということになります。
しかし、どの作品であっても、コナン・ドイルはホームズの結末を明確に記載していません。
あえて言うなら、ドイルは「最後の事件」でホームズの最後を抽象的に描きたかったというのが本心でしょう。
しかし作品を終わらせたくなかった出版社や読者によって、ドイルの願いが叶わなくなってしまったという感じですね。
では、フジテレビ月9ドラマ「シャーロック」の最終回はどうなるのでしょうか?
フジ月9ドラマ「シャーロック」の最終回の内容は?
今回のシャーロックのプロデューサーである「太田大」さんは、原作はコナン・ドイルのシャーロック・ホームズであると明言しています。
ですから、やはり原作における最終話が参考になってくるはずです。
そうなると、
- コナン・ドイルが終わらせたかった最終話「最後の事件」
- ホームズ作品の時系列における最終話「最後の挨拶」
- ドイル最後の執筆作品「シュスコム荘」
この3つの作品のどれかが、ドラマ「シャーロック」でも最終回ということになるでしょう。
この中で、「シュスコム荘」は回顧録であるため、ドラマの最終話としては話題性に乏しいと言えます。
「最後の挨拶」についても、最終回としての内容としては、インパクトに欠けるように感じます。
そうなると、「最後の事件」が、ドラマ版「シャーロック」でも最終回の内容として参考にされる可能性が高いと思います。
滝壺に落ちるというようなシーンになるのかという事が、難しいところですが、舞台が「令和」の東京であることを考えると滝壺は難しいように思います。
でも、きっと劇的な内容にすることが予想されます。
モンテ・クリスト伯でも、物語の最後は「主人公の最期」という形になったので、個人的には「シャーロック」でも同じような形になるのではないかと思っています。
個人的には、その方が面白くなるのではと感じますし、ディーンフジオカさんのイメージにも合います。
おそらく最後の宿敵のような存在が登場し、ホームズをあと一歩のところまで追い詰めて、共に爆破に巻き込まれるというような内容になるのではないかと予想しています。
ドラマが最終回を迎えましたが、コナン・ドイルの原作と同じように、水の中に沈んでいくという最後になりましたね。
残念ながら、爆破のようなことはありませんでしたが、原作に忠実に最終回を迎えたことになります。
獅子尾誉は生きているのか?
シャーロックの最終回が、原作と同じように水の中に落ちていき、そして死体も浮かんで来ないという事であれば、原作と同じように死んだとは断定できないという事になるでしょう。
コナン・ドイルが描いたように、明確な結末を残さずに物語を終えたと言った方が良いでしょう。
しかし、原作ではシャーロックは「岩陰」に隠れていて死んではいませんでした。
ということは、誉獅子雄も埠頭に隠れていて、死んでいなかったという話になる可能性が高いと言えます。
何度も言いますが、「原作」に忠実という事を公言しているので、やはり「生きている」という結論が妥当と言えるでしょう。
12月22日の放送がポイントになりそうですね!
フジテレビ月9「シャーロック」の最終回のまとめ
コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」を見てみると、ドラマ版の最終回は、劇的なものになることが予想できます。
参考になる原作の最終回は「最後の事件」でしょう。
宿敵に追い込まれていくホームズ、ワトソンを思いやるホームズ、最後は宿敵を打ち破るホームズ。
ドラマとして十分な内容になっているので、舞台を変えるだけで、ストーリーはそのまま使う可能性が高いと思いますね。