大学無償化法が成立し、低所得者層でも大学や高等教育を受ける道が開けました。
これは、本当に良いことですが、きちんと制度について理解しておかないと、せっかくの無償化の恩恵を受ける機会を逸してしまう可能性もあります。
無償化とは具体的にどのような意味なのか
自分が対象になっているのか
どの大学や無償化に対応しているのか
対象年収はいくらなのか
こうした点については、この記事では解説しています。
大学無償化法とは?いつから実施される?
2019年5月10日に施行されたのが、大学等修学支援法という法律です。
通称、大学無償化法として知られているものですが、2020年4月から学校に通う人が対象となります。
具体的には、低所得者層の学生たちが、学費の減免と給付型奨学金を受給することによって、保障を受けられるようになります。
この奨学金は、返済不要の奨学金であるため、卒業後に返済に苦しむこともありません。
大学無償化法という通称で知られているため、大学だけが対象であると勘違いしてしまいがちですが、対象は大学だけではありません。
大学無償化の対象になる学校とは??
大学無償化法が適用される学校は、大学だけではなく、「短大」「専門学校」も含まれてきます。
ですから、今後専門学校や短大への進学を検討しているのであれば、大学無償化法(大学等修学支援法)を利用する事を検討できるでしょう。
では日本全国にある、全ての国立大学、私立大学、専門学校、短大が対象になっているのでしょうか?
残念ながら全ての学校が対象になるわけではないようです。
2019年7月から8月にかけて、大学無償化法が適用される学校のリストが発表されることになっています。
この対象から外れている大学であれば、大学無償化とはならないため、授業料などの費用は全て生徒の家族で負担する必要があります。
志望している大学や学校が、大学無償化の対象になっているのか、2019年7月ころに発表されるリストをきちんと確認しておきましょう。
受験に合格してから無償化対象外の学校だったということがないようにしましょう。
大学無償化法の対象になる年収(所得)はいくら?
対象となる世帯年収について見てみましょう。
大学無償化法の対象となる世帯収入は、以下の3種類です。
- 世帯収入270万円未満
- 世帯収入270万円から300万円未満
- 世帯収入300万円から380万円未満
つまり世帯収入が380万円以下であれば、今回の大学無償化法の対象となるという意味になります。
ただし、一律という事ではなく、世帯収入やその他の条件によって受けられる減免・給付金額が変わってきます。
関係する要素は以下のようなものです。
- 世帯収入
- 学校種別(大学、短大、専門学校)
- 国公立学校
- 私立学校
- 下宿
- 自宅から通学か
こうした細かな状況によって、授業料減免や給付金額が大きく変わってきます。
世帯収入270万円未満の家庭の例
この世帯収入は、住民税非課税世帯のことで、減免額や奨学金給付金額の基本になります。
世帯収入270万円から300万円未満の家庭は、270万円未満世帯の3分の2の減免と給付金、
世帯収入300万円から380万円未満の家庭は3分の1の減免と給付金となります。
こちらの表で、世帯年収270万円未満の家庭が受けられる、授業料と入学金の減免額と奨学金給付金をご確認ください。
基本的には、この表で記している金額の減免額と給付金ということになります。
総額で最も多いのは、私立大学・下宿という組み合わせの場合で、187万円となります。
ただし奨学金給付金については、「私立大学」の「下宿」で91万円という金額が最大となります。
これが「国公立大学」「下宿」になると、奨学金給付金は80万となります。
仮に世帯収入が270万円以上300万円未満の家庭であれば、「私立大学」「下宿」の方は、最大約60万円の奨学給付金を受け取れるという事になります。
ちょっと複雑ですが、きちんと理解しておくと、収入の少ない世帯の方でも、大学に通うことができます。