韓国が行なってきた多くの問題行動への明確な答えが「日本政府」から発表されました。
フッ化水素などの材料の輸出制限を行うことによって、実質的な経済制裁に入ったと言えます。
なぜフッ化水素の輸出制限が韓国経済への大打撃になるのでしょうか?
分かりやすく解説していきます。
なぜフッ化水素輸出規制が経済制裁になる?
まず正確な情報を整理しておきましょう。
今回、日本政府が決定しているのは、以下の3品目の輸出規制を7月4日からは強化するということです。
- フッ化ポリイミド
- レジスト
- エッチングガス
この3種類の材料に関して、世界の80%ほどのシェアを日本が独占している状態です。
その中でも、「フッ化水素」つまり「エッチングガス」は半導体を製造する上で、重要な材料となります。
簡単に用途を説明すると、フッ素水素(エッチングガス)とは、半導体や太陽電池製造の時にシリコン基板を洗浄するために使います。
つまりフッ化水素がなければ、半導体の製造ができないということになります。
半導体が製造できなければ、当然スマホや液晶テレビなどの電化製品製造はできなくなるため、韓国経済は大打撃となります。
具体的な制裁の程度については、こちらを参考にしてください。詳細な説明があります。
フッ化水素については、ステラケミファ、森田化学工業、ダイキン工業が世界に流通しているフッ化水素のほとんどを製造しています。
その中でも、森田化学工業が90%のシェアとなっています。
では韓国で独自にエッチングガスを製造できないのでしょうか?
韓国でフッ化水素を作れない理由
フッ化水素を製造するための、原材料は「蛍石」と呼ばれる鉱石です。
質の良い蛍石が取れるのは、中国なので、主な原産国は「中国」ということになります。
そのため日本企業も中国に進出しており、中国が原産の蛍石を輸入しています。
では中国で、質の良い蛍石を使ってフッ化水素を作っていないのでしょうか?
中国の蛍石は、中国で加工されフッ化水素になるわけではなく、日本企業が日本に運び、純度の高いフッ化水素を作っています。
中国でもフッ化水素は製造されていますが、ポイントは純度の高いフッ化水素を製造できないということです。
日本の企業だけが、純度の高いフッ化水素を製造できるため、最終的には輸入して製造しているわけです。
では韓国が蛍石を輸入して、韓国国内でフッ化水素を製造すれば良いのではないかと思われるかもしれません。
しかし韓国には、フッ化水素を製造することはできません。
実際、以前に韓国内でフッ化水素を製造しようとして、犠牲者が出たこともありました。
現在は、日本企業がフッ化水素製造の特許を取得しており、技術的にも経済的にも、韓国が独自でフッ化水素を製造できません。
フッ化水素の製造にはリスクもあるということです。
韓国は独自にフッ化水素を製造できないため、フッ化水素の輸出制限を受けるなら、それだけで大打撃ということになるわけですね。
今回の措置を受けて、韓国政府はWTO(世界貿易機関)に提訴するようです。
提訴をする時点で、自国ではフッ化水素を製造できないことを意味しています。
ホワイト国とはどのような意味?韓国が除外された意味!
今回、半導体製造のために必要な材料の輸出制限が課せられ、経済制裁だと韓国が騒いでいますが、実は「ホワイト国」から除外されるだけという話しもあります。
ホワイト国については、経済産業省の安全保障貿易管理の説明が良いので、引用させていただきます。
大量破壊兵器等に関する条約に加盟し、輸出管理レジームに全て参加し、キャッチオール制度を導入している国については、これらの国から大量破壊兵器の拡散が行われるおそれがないことが明白であり、俗称でホワイト国と呼んでいます。正式には、「輸出貿易管理令別表第3に掲げる地域」です。具体的には、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、 大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの合計27ヶ国です
引用:経済産業省
つまり、軍事転用される危険性のある技術であっても、ホワイト国に指定されている国であれば、こうした技術も輸出できるということです。
実は、フッ化水素は軍事転用することが可能なものであり、非常に危険な技術です。
この技術を韓国が北朝鮮に流していたという可能性が出てきました。
つまり核製造のための技術として北朝鮮がフッ化水素を利用している疑いが出てきたため、国連から韓国へのフッ化水素提供をストップするようにという打診があるのではとも噂されていたこともありました。
日本政府は、韓国をホワイト国である27カ国の中から除外するという動きを方針として打ち出しているので、受け入れられればフッ化水素を韓国が輸入できないのは、世界中からの同意を得られたということになるでしょう。
こうした流れを見てみると、フッ化水素を韓国に輸出されることに制限がかかったのは、日本が独自で決定したわけではない可能性もあります。
ホワイト国がどこになるのかという決定は、日本だけでは行えることではないからです。
いずれにしても、今後の推移が気になりますね。