正月の代名詞である「おせち料理」ですが、ネット通販で購入する方も増えています。
それに伴って「常温で届く」「品目が足りない」など、「おせちトラブル」が増加しています。
ネット通販でおすすめの店(ショップ)はどこなのか?おせちトラブルとは?どのような対策ができるのか解説しています。
急増している【おせちネット通販トラブル】とは?
正月に家族の幸せを願って食べるのが、「おせち料理」ですよね。
そんなおせち料理ですが、近年自分で作るという方も少なくなってきており、購入されることもあるでしょう。
しかし、おせちネット通販によって、さまざまなトラブルが生じています。
2011年グルーポンおせち事件
「おせち料理」をネット通販することで、大きな社会問題になったのは【グルーポンおせち事件】かもしれません。
それまで多くの方は、自分でおせち料理を作らない場合、スーパーなどで購入していました。
スーパーでの購入であれば、実物を確認できるため、トラブルはあまり起きないものです。
しかしネット通販となると、実物を見られないため、やはりトラブル発生の可能性は上がってしまいます。
2011に発生した「グルーポンおせち事件」の詳細を見て見ましょう。
グルーポンを通じて「バードカフェ」から「おせち料理」を購入した際、「おせち」が写真と異なり中身がスカスカだったという多くの苦情が殺到しました。
その時の写真(画像)が以下のようなものです。
これを見る限り、本当にヒドイですね。
すでにおせち料理というものではなくなってしまっています。
この「おせち料理」を販売したのは「バードカフェ」という会社は、【株式会社外食文化研究所】が運営している飲食店です。
つまり普通の飲食店が、「バードカフェ謹製おせち」という名前で販売していたということです。
ではなぜスカスカの「おせち料理」になったのでしょうか?
問題はいくつかあります。
2 材料調達ができず33品から25品に減少
3 グルーポンの担当者が勝手に販売数を増やした可能性
4 商品価格表示の問題
5 商品管理知識が足らず、肉や魚から腐敗臭
「バードカフェ」は通常の飲食店であり、「正月特製のおせち料理」を販売する専門の業社ではありませんでした。
そのため500個という大量の注文に対応できるほどのノウハウはなかったようです。
実際、【株式会社外食文化研究所】の水口社長は、「自分たちに「おせち料理」を作るだけの力はなかった」と認めています。
さらに「お弁当」を作るのと同じような感覚で始めてしまったとも述べています。
さらに気になる点は、もともとの販売数が100個だったにも関わらず、最終的な販売数が600個になったことです。
販売店が個数を増やしたのか、グルーポンによって勝手増やされたのかは不明ですが、通常の飲食店が対応できる数ではなかったということです。
さらに、バードカフェの「おせち料理」には、料金表示の問題もあります。
「通常料金21,000円のところ、今だけ10,500円で販売!」と表示していたようです。
バードカフェは、もともと「おせち」を販売した経験がないにも関わらず、「安さ」をアピールするために、正しい表示を行いませんでした。
こうした問題がいくつも重なった結果、スカスカのおせち料理が年末に届くことになったわけです。
2018年「おせち料理」偏り事件
ネット販売によって「おせち料理」を購入した方の写真を見てみましょう。
この写真を見てみると、おせち料理が左側に偏ってしまっています。
2011年のバードカフェのように、品数が足りないということはありませんが、とても完璧な状態とは言えない状態ですね。
問題は2つかあります
2 配送業者による問題
このケースでは、上記のような2つの問題が考えられるでしょう。
実際の箱を見てみると、やはり料理同士の仕切りが低かったために、料理が移動してしまっているようです。
また配送業者が、料理を傾けてしまったことも原因になっているでしょう。
この「おせち料理」は、有名デパートである「三越」のおせち料理ということなので、購入者はとてもがっかりしたことでしょう。
2019年「おせち料理」常温配送事件
こうした「おせち料理」のネット販売によるトラブルが、2019年にも起きてしまいました。
今年のケースは、販売元による問題というわけではないようですね。
販売元は、福岡の食品製造業「久松」がネット通販で販売した「おせち料理」です。
商品名は、
「おせち博多」(15,800円)、「おせち舞鶴」(11,500円)の2つです。
久松から販売された1,268個の「おせち料理」の一部が、冷凍ではなく冷蔵になってしまっていたようです。
特に北海道の家庭に向けて発送予定だった【おせち料理】に問題が生じたようです。
久松のおせち料理の配送を担当していたのは、運送会社大手の「ヤマト運輸」です。
12月30日の段階で、ヤマト運輸は、商品が「冷凍」ではなく「冷蔵」で配送されていることに気づき、配達を中止したということです。
しかしすでに商品が届けられていたものもあり、さらに残りは届けられなくなったため、年末年始におせち料理が購入者の元には届かなくなってしまいました。
現在は返金対応ということになっていますので、販売元の「久松」まで連絡できます。
ネット販売による「おせち料理」購入の注意点
これまでに起きた「ネット通販おせち事件」をまとめてみると、以下のような注意点があります。
1 販売元にネット販売によるおせち料理の経験があるのか
2 配送業者が信頼できるのか
大きく分ければ、上記の2点に注意する必要があるでしょう。
有名な販売元だから安心ということではなく、これまでのネット販売実績をしっかりと評価しなければなりません。
(2018年のおせち料理では、三越のおせち料理が容器内で偏ってしまうという例もありました。)
これは配送業者の責任も大きいですが、容器の仕切りを高くすることで防げた可能性もあります。
「おせち料理」ネット販売の経験があれば、対策が施せるようなケースばかりになるので、やはり販売経験の有無は非常に重要です。
さらに配送業者の仕事も重要です。
販売元が契約している「配送業者」がどこなのか、事前に確認しておきましょう。
「おせち料理」購入後に、販売元に連絡をして、必ず配送方法を守るように念を押すことも良い方法です。
また配送方法を「冷凍」か「冷蔵」かを事前に確認して、仮に配送方法が正しくない場合、商品の受取を拒否し、配送業者へ苦情を言いましょう。
「おせち料理」でトラブルが起きてしまうなら、正月早々気分が悪くなってしまい、1年のスタートが最悪になってしまうので、上記の点を注意しましょう。